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ハーフNDフィルターが3枚そろったので減光具合を比較してみるお話

福島潟 KANIフィルター

こんにちは。新熊屋@フィルター沼手前です。

 

昨年末にKANIの「Dual Purpose GND filter 0.75」を購入しました。フィルターの種類がそろってきたので、それぞれどんな減光具合かを改めて確認してみたかったので、ちょっとした実験を行いました。

 

 

ハーフNDフィルターって?

ハーフNDフィルター

ハーフNDフィルターとは、フィルター枠の半分、あるいは一部分だけ減光効果がかかっているNDフィルターです。

たとえば、朝焼け、夕焼けなどの地上と空の明るさの差(輝度差)が激しい場合に、空だけ暗くしたい、というようなときに使用すると効果的ですので、風景撮影などで重宝するアイテムです。

ハーフNDフィルターについては下の記事に詳しく書いています。 

 

www.nii-kuma-foto.com

 

 

www.nii-kuma-foto.com

 

実験内容

今回おこなった実験は、「一定の露出、焦点距離で、無地の背景を撮影し、減光具合を見えるようにする」というものです。

具体的には、各フィルターを次の条件で撮影した画像を比較していこうというものです。

使用カメラ CANON EOS6D mark2
使用レンズ CANON EF16-35mm F4L IS USM
焦点距離 16mm、および35mm
シャッタースピード 1/40秒
F値 4.0
ISO 4000
レンズプロファイル Lightroom6.14にて適用

なお、減光具合をわかりやすくするためホワイトバランスは撮影時から変更しています。 

なお、私が持っているハーフNDフィルターは次の3枚になります。

  • SOFT GND 0.9

  • REVERSE GND 1.2

  • Dual Purpose GND filter 0.75

 すべてKANI製のハーフNDフィルターになります。

  

KANI SOFT GND 0.9

KANI SOFT GND0.9

個人的に、手持ちのフィルターの中で一番スタンダードなフィルターだと思っている「SOFT GND0.9」 です。

減光部分との境目が穏やかなグラデーションになっているソフトタイプで、最大限光効果がND8相当のハーフNDフィルターです。

私が持っているフィルターは古いタイプのフィルター(Premiumコーティングなし)で、現在ではPremiumコーティングされた高品質フィルターのみ取り扱っています。

 

実験結果 中央グラデーション部分 その1

境界部分を真ん中に設置して撮影
右:焦点距離16mm  左:焦点距離35mm

フィルター中央部分を写真中央にくるようにフィルターを設置して撮影したものになります。

右側の焦点距離16mmで撮影したもののほうが焦点距離35mmで撮影したものより、写真上の減光された部分と写真下の減光されていない部分の境界がわかりやすくなっています。逆に焦点距離35mmのほうは、減光された部分と減光されていない部分の差がよりなだらかになっています。

実験結果 中央グラデーション部分 その2

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境界部分を下にあわせて撮影

右:焦点距離16mm 左:焦点距離35mm

次は、フィルター中央部分を写真下端にくるようにフィルターを設置して撮影したものになります。
焦点距離16mmは上半分はほぼ均一に減光されていますが、焦点距離35mmのほうは全体的にグラデーションがかかっているような感じになっています。

焦点距離が違うと減光効果もけっこうちがってくるものですね。

 

KANI REVERSE GND1.2

KANI REVARSE GND1.2

REVERSE GND1.2」はフィルター中央部が減光効果が最大になり、上に行くほどに減光効果が薄くなっていきます。減光効果は最大ND16相当になります。
 

実験結果 中央グラデーション部分

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境界部分を真ん中に設置して撮影
右:焦点距離16mm  左:焦点距離35mm

ハードタイプはソフトタイプと比べると、減光部分との境界がはっきり表れてきます。とくに焦点距離16㎜では線を引いたようなイメージになっています。私がこのフィルターを使用して感じていたイメージと一致しています。

ただ焦点距離35㎜のほうは、焦点距離16㎜と比べると境界部分はだいぶ緩やかな減光具合になっています。境界部分のグラデーションがここまで変わってくるとは思いませんでした。

 

実験結果 上端部分

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フィルターを下げた状態

右:焦点距離16mm  左:焦点距離35mm

次はフィルターを 下にずらしてフィルターホルダーに対してめいっぱい下げた状態、これ以上下げると上の部分に隙間ができてしまうというくらいに、フィルターを下げた状態の写真になります。

焦点距離16㎜のほうは、上端がうっすらと白くなっていますが、両方とも画面全体に減光されている状態です。もっとグラデーションが効いてくるかと思っていたのですが、これは意外な結果でした。

 

KANI Dual Purpose GND filter 0.75

KANI Dual Purpose GND filter 0.75

Dual Purpose GND filter 0.75」は上の写真のように、フィルター中央部に減光効果がかかってて、減光部分の下端はハードタイプ、上端はソフトタイプのグラデーションになっているハーフNDフィルターです。減光効果は最大ND6相当です。

 

実験結果 中央部(ハードグラデーション部分)

ハード部分を真ん中に設置して撮影
右:焦点距離16mm  左:焦点距離35mm

フィルター中央部のハードタイプ側グラデーションです。

傾向としては、いままでのフィルター同様、焦点距離16mmでは減光部分のグラデーションが強く、焦点距離35mmでは穏やかなグラデーションになります。

 

実験結果 上端部(ソフトグラデーション部分)

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ソフト部分を真ん中に設置して撮影
右:焦点距離16mm  左:焦点距離35mm


こちらはフィルター上部のソフトタイプ側グラデーションです 

このフィルターのソフトタイプ側のグラデーションは「SOFT GND 0.9」より若干きつめのグラデーションになっている印象を受けました。

と思って調べてみたら、このフィルターのソフトタイプ側のグラデーション幅3cmは、KANIのミディアムタイプ(ハードタイプとソフトタイプの中間)のハーフNDフィルターと同じ幅でした。 

 

さいごに

全体的な印象としては、ハーフNDフィルターが写真に映り込む範囲は意外と狭いものなんだだな、という感想です。とくに「REVERSE GND1.2」については、リバースの効果が効きにくい結果になったことは意外でした。

今回の実験結果をふまえて、これからもハーフNDフィルターを効果的に運用していきたいです。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。