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手持ちのフィルター種類について解説してみる

ハーフNDフィルター

こんにちは。新熊屋@フィルター万歳です。

 

世の中にはいろいろなフィルターがあります。

私自身も使用しているフィルター、今回は私が持っているフィルターの種類について解説していきます。

 

 

レンズ保護フィルター

角田浜


まず初めはレンズ保護フィルター。レンズを購入するのと同時に購入するであろうフィルターです。

名前の通りホコリや傷からレンズを守るためのフィルターになります。

レンズを保護するためのフィルターですので、フィルター自体にはとくに特殊効果があるわけではないいたって普通の透明なフィルターです。

 

無色透明といっても、レンズの全面にガラス板を付けるわけですから撮影する写真に少なからず影響があります。

人によっては解像度が下がったり、フレアやゴーストが発生しやすくなるというデメリットを挙げることもあります。これをもってレンズ保護フィルターを装着しない人もいます。

しかし、私はレンズ保護フィルターは付けたほうがいいと思っています。

写真の解像度が下がるといっても、私自身、レンズ保護フィルターを付けた写真と付けていない写真を並べても、違いは判りません。解像度についてはそれくらい影響がありません。

また、フレアやゴーストについてもレンズ保護フィルターを外したからといって、軽減はしますが消えるわけではないので、そこまで気にするほどでもないかなと思います。もしフレアやゴーストが出てきて気になるようなら、その場でレンズ保護フィルターを外せばいいのです。

レンズ保護フィルターを装着したデメリットより、フィルターを外したデメリットのほうが大きいのです。

小さなホコリくらいなら、多少レンズについても問題ありませんが、誤ってどこかぶつけて傷をつけた日には目も当てられません。高価なレンズの場合だと修理代で何万円もかかることになります。そんなことを心配しながらでは、撮影に集中できなくなってしまいますし、なにより精神衛生上よろしくありません。

なので、レンズ保護フィルターを付けることをおススメします。

レンズを保護するという理由から、レンズフードも付けたほうがいいですね。

 

PLフィルター

モミジ

レンズ保護フィルターの次にメジャーなんじゃないかと思っているのが、PL(偏光)フィルターです。

PLフィルター自体は、2枚のガラス板が合わさったフィルターになっています。

この合わさった2枚のガラス板の前枠を回転させることで、反射した光を制御して色鮮やかな写真が撮影できるようになるフィルターです。

 

具体的には上のモミジの写真ですが、PLフィルターを効かさない状態だと太陽光がモミジに反射して白っぽくなっていました。そこでPLフィルターの前枠を回転させてあげると、モミジの葉っぱで反射した光を抑制してモミジ本来の紅い色で撮影することができました。

このように反射する光を制御することによって紅葉や新緑の景色を色鮮やかに撮影することができる、風景撮影には必需品のフィルターです。

他にもガラスや水面の反射を抑えることによって、例えばガラス越しのショーウインドウ内にある商品を撮影したりする際にも重宝します。 

 

ノゲイトウ 上堰潟公園

またPLフィルターには、青空をより青くくっきりとさせてくれる効果もあります。

空は、大気中の水蒸気で光が散乱しているため若干白っぽく見えています。このためPLフィルターを通すことによってその散乱した光を制御して、色鮮やかな青空を撮影することができます。

 

PLフィルターの注意点 

風景撮影に重宝するPLフィルターですが、うまく使いこなすには若干のコツが必要です。

 

太陽の位置

PLフィルターが効果を発揮するには太陽や光源の位置が重要になります。

具体的には太陽の位置とレンズの方向が90度になると最大の効果になります。

逆に太陽が正面にある場合(逆光)や真後ろにある場合(順光)はPLフィルターの効果は少なくなります。逆光や順光の時にPLフィルターの前枠を回転させても、反射を抑えたり青空を鮮やかにする効果が少なくなりますので、PLフィルターを使用する際には太陽の位置を意識してください。

 

偏光ムラに注意

偏光ムラ

とくに広角レンズでPLフィルターを使用する際に出てくるのですが、青空を撮影すると写真片側だけ青が濃く、反対側は薄くなることがあります。上の写真は広角レンズにPLフィルターを付けて撮影したものです。写真左側と右側の空の色の濃さがだいぶ違ってきています。

これは偏光ムラといい、太陽光の入射角の影響で写真の両端でのPLフィルターの効果が変わってきます。偏光ムラが出る場合は、PLフィルターではなく、ハーフNDフィルターなどで空の部分を減光して撮影しましょう。

 

NDフィルター

NDフィルター

PLフィルターと並んで メジャーなNDフィルター。

NDは「Neutral Density」(ニュートラルデンシティ)の略で日本語に訳すと「中立な濃度」となります。

このNDフィルターは、色味を変えずにレンズに入ってくる光を減らす効果があります。言ってみればレンズに付けるサングラスのようなものです。

レンズに入ってくる光量を減らすので、必然的に写真は暗くなります。これを逆に利用して、日中明るい時間でもシャッターを長く開けて撮影する長時間露光撮影をすることが可能になります。

どれくらい光量を減らせるかというのは個々のNDフィルターによって違います。「ND64」や「ND1000」などのNDフィルターの数字は、光量を「1/64」、「1/1000」にするという意味合いです。F値、ISO感度を変えなければ、シャッタースピードをND64だと64倍、ND1000だと1000倍長く設定できるようになります。

 

NDフィルター上の写真はまだ日没前ですが、ND1000フィルターを使用して光量を1/1000にすることで、シャッタースピードを20秒まで稼いで海面をなめらかに写しています。 

このように長時間露光撮影することで、滝や渓流などの水面を絹のようになめらかにしたり、街なかから人を消した写真を撮影することも可能です。

 

シャッタースピードについては、この記事で詳しく記載しています。 

www.nii-kuma-foto.com

 

 

ハーフNDフィルター

ハーフNDフィルター

左:NDフィルター 右:ハーフNDフィルター


ハーフNDフィルターは、その名の通り半分だけNDフィルターになっています。 

これは、朝焼け夕焼けなどのように明るさの差が激しい場面で使用します。

この記事の一番上の写真は、朝日が昇って間もない時間に撮影した一枚です。

朝日が昇っているので上半分の空は明るくなっている一方、下半分のコスモス畑はまだ光が差し込んできていないため空に比べるとだいぶ暗く、空とコスモス畑の明暗差が激しい状況です。

このような場合にそのまま撮影すると、空に明るさを合わせて撮影するとコスモス畑が真っ暗なり(黒つぶれ)、反対にコスモス畑に明るさを合わせて撮影すると空が真っ白になってしまいます。(白飛び

白飛び、黒つぶれさせないため、ハーフNDフィルターを使用して空の部分を暗くしてできるだけ明暗差を少なくさせます。

 

クロスフィルター

クロスフィルター

PLフィルター、NDフィルターに比べるとあまりメジャーではありませんが、イルミネーションや夜景を幻想的に演出する「クロスフィルター」というものがあります。

これはフィルターに溝が掘ってあり、それに沿って点光源から光の筋(光条)が出てくるというシロモノです。

種類によって光条の本数や出かたが違ってきます。上の写真はひとつの点光源から6本の光条が長めに出ていますが、光条の長さが短めに出たり、本数も8本や4本だけ出るというフィルターもあります。

 

個人的には、光条がたくさん出るフィルターは、点光源が少なめの写真、光条が少ないフィルターは点光源がたくさんある写真に向いていると思います。

 

クロスフィルター使うときの注意点

クロスフィルターを使用するうえで押さえておくコツがいくつかあります。 

 

F値はほどほどに

クロスフィルター

F値:14 途切れた光条

クロスフィルターを使用して撮影する際、あまりF値を大きくしすぎると上の写真のように光条が途切れてしまいます。
この写真ではF値は14まで大きくしていますが、ここまで大きくすると光条が途切れるようです。

また私は試していないのですが、50㎜以下の広角レンズで撮影すると同じように光条が途切れることもあるようです。

光条が途切れるF値はクロスフィルターの種類にもよると思いますが、クロスフィルターを使う際は、焦点距離を50㎜以上にしてあまりF値を大きくせずに開放F値付近で撮影するときれいな光条が撮影できます。

 

ボケると模様がつく

クロスフィルター

逆に開放付近で撮影する際、ボケを入れて撮影すると上の写真のようにボケに幾何学的な模様が浮き出ます。

これはクロスフィルターの表面の溝が映り込んでいるためです。このような幾何学模様を表現の一部にする場合は別ですが、なるべくボケを入れないようにすると余計な模様も映し出されません。

 

最後に

私は持っていませんが、他にも星を撮影する際のソフトフィルターや、最近は映画の雰囲気を再現するブラックミストフィルターなんていうのもあるようです。

レンズ沼も怖いですが、フィルター沼なんていうのも知らず知らずに足を突っ込んでしまうかもしれませんね(笑) 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。